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冬だ、冬だ、何処もかも冬だ

冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
見わたすかぎり冬だ
再び僕に会ひに来た硬骨な冬
冬よ、冬よ
躍れ、叫べ、僕の手を握れ


ユニクロのCM。
高村光太郎の「冬の詩」。いい詩だと思います。

リズムがいいですよね。
「何処もかも」とかは聞きなれないですけど、「どこ(何処)」と「か(彼)」という代名詞にそれぞれ助詞の「も」がついたかたちで、
上記「か」のgoo国語辞典の「2」の用法(「何」と対になって、並列される事物を漠然とさす。「なんとか―とか不平を並べたてる」「何や―やとうるさい」)で、意味的には「どこもかしこも」と同じかな。
(…であれば、「か」は「かしこ」とほぼ同義の「遠称の指示代名詞。あれ。かれ。」の方かな? うーむ)

でも、ここを「どこもかしこも」と言ってしまうと台無しですしねぇ。とたんに輝きが失われる。
朗読すると「何処もかも」の良さがわかります。
やっぱ、詩は朗読してみてナンボなんだろうなぁ、うん。

全文は「冬の詩」/『高村光太郎詩集』からどうぞ。
「遊冶郎」とか「循俗味」とか、今やほとんど使わない言葉とかもあったりしてちょっと難しいですが。

ま、高村は授業で読んだ「智恵子抄」の「レモン哀歌」くらいしか記憶には無かったりします。
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