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「借りぐらしのアリエッティ」の感想文
Date:2010/08/15 22:58
非常に簡単なあらすじ、というか作品説明。
「借りぐらし=狩りぐらし」で、小人たちは人間の生活空間から、人間には分からない程度に必要な物資を「借り」てくるという生活をしている。ただし、人間には見られてはいけない、というルールがある。
そのようなルールのもとで暮らす小人の家族の生活、そしてその子供「アリエッティ」と、病気の静養に訪れた人間の子供 翔(しょう)との交流を描いた作品。
テーマとしては、人間は小人を「小人の世界というものがある存在」と考えず、その生活に人間が勝手に良かれと思って介入したことにより、人間が望んだ結果とは異なり、小人の家族の生活を壊してしまう、ということから転じて、
自然を「自然の世界というものがある存在」とせず、人間が良いことだと独善的に判断し自然に介入することへの疑問(人間目線であることの警鐘)、
そして、自分勝手な善が結果的に悪となることがある、ということを投げかけたものになっている(と僕は考える)。
物語の流れとしては、「紅の豚」が「カッコイイとは、こういうことさ。」で男のカッコよさとバカっぷりを描いたのと同様、
「借りぐらしのアリエッティ」は「人間に見られてはいけない。それが床下の小人たちの掟だった。」ということで、(キャッチコピーがいまいちなのはさておき)借りぐらしの小人の生活がどのようなものかを描いたドキュメンタリー。
前半は、小人の生活がどのようなものかを描いた展開。
普通の生活は人間と同じ、ただ「借り=狩り」で生活に必要な物資を人間からの空間へ借りに行く場面などは、狩りさながらの緊張感のある描写で大変良かった。
適切な例え方ではないかもしれないが、ゼルダシリーズをプレイしているような感覚。
中盤からは人間との交流(小人側からは人間との接触を断っているのだから、交じり合うってのは少しおかしいが)から、ハラハラドキドキの展開を通してテーマを描くものとなっており、涙あり、ほっこりする場面ありで楽しめた。
楽しめたが、前述したテーマがちょっと分かりにくい描き方になっている。
人間に見られたことから引越しを余儀なくされたアリエッティが、好意に反してその元凶を作ってしまった翔に対しさよならを告げる場面で、翔とアリエッティが物語のテーマについて語るのだが、観終わって改めて内容を考えてやっと意味がわかるような表現になっている。
(翔が話す言葉は非常に簡単だが、そこに込められている作者の考えが読み取りにくい)
映画の中では、「なぜここでそれを言う?」という大きなハテナが出るほどの異物感があり、この場面のせいで映画全体の印象が3割は低下している。
後で考えれば、
絶滅危惧種ということは……? 人間が「保護」する? しかしそれは、その生き物が持ってる世界を……?
ということだが、
個人的には、もう少し話に沿ったかたちで、かつ分かりやすい内容(「僕のせいで、君の生活を台なしにしてしまったんだね」「人間と小人は仲良くできないのかな?」的な内容)にしたほうが良かったように思う。
テーマとしては非常に共感できるし、個人的にはこういう世界観のゲームがあれば…と思っているくらい世界観は好き(ピクミンの世界観に、ゼルダのゲーム性)なので、前半は大満足なだけに後半のもっていき方が残念でならない。
以外、余事。
・小人の世界だけにガンガン虫が出てくるけども、デフォルメされているので、虫NGな人でも多分大丈夫。
・猫好きな方はより一層満足感があると思われる。
・登場人物はそれぞれ味がある。お父さんスゴい!
絶対観た方がいい、とまでは言えないが、ピクミンとゼルダ好きにはオススメ。
「借りぐらし=狩りぐらし」で、小人たちは人間の生活空間から、人間には分からない程度に必要な物資を「借り」てくるという生活をしている。ただし、人間には見られてはいけない、というルールがある。
そのようなルールのもとで暮らす小人の家族の生活、そしてその子供「アリエッティ」と、病気の静養に訪れた人間の子供 翔(しょう)との交流を描いた作品。
テーマとしては、人間は小人を「小人の世界というものがある存在」と考えず、その生活に人間が勝手に良かれと思って介入したことにより、人間が望んだ結果とは異なり、小人の家族の生活を壊してしまう、ということから転じて、
自然を「自然の世界というものがある存在」とせず、人間が良いことだと独善的に判断し自然に介入することへの疑問(人間目線であることの警鐘)、
そして、自分勝手な善が結果的に悪となることがある、ということを投げかけたものになっている(と僕は考える)。
物語の流れとしては、「紅の豚」が「カッコイイとは、こういうことさ。」で男のカッコよさとバカっぷりを描いたのと同様、
「借りぐらしのアリエッティ」は「人間に見られてはいけない。それが床下の小人たちの掟だった。」ということで、(キャッチコピーがいまいちなのはさておき)借りぐらしの小人の生活がどのようなものかを描いたドキュメンタリー。
前半は、小人の生活がどのようなものかを描いた展開。
普通の生活は人間と同じ、ただ「借り=狩り」で生活に必要な物資を人間からの空間へ借りに行く場面などは、狩りさながらの緊張感のある描写で大変良かった。
適切な例え方ではないかもしれないが、ゼルダシリーズをプレイしているような感覚。
中盤からは人間との交流(小人側からは人間との接触を断っているのだから、交じり合うってのは少しおかしいが)から、ハラハラドキドキの展開を通してテーマを描くものとなっており、涙あり、ほっこりする場面ありで楽しめた。
楽しめたが、前述したテーマがちょっと分かりにくい描き方になっている。
人間に見られたことから引越しを余儀なくされたアリエッティが、好意に反してその元凶を作ってしまった翔に対しさよならを告げる場面で、翔とアリエッティが物語のテーマについて語るのだが、観終わって改めて内容を考えてやっと意味がわかるような表現になっている。
(翔が話す言葉は非常に簡単だが、そこに込められている作者の考えが読み取りにくい)
映画の中では、「なぜここでそれを言う?」という大きなハテナが出るほどの異物感があり、この場面のせいで映画全体の印象が3割は低下している。
後で考えれば、
絶滅危惧種ということは……? 人間が「保護」する? しかしそれは、その生き物が持ってる世界を……?
ということだが、
個人的には、もう少し話に沿ったかたちで、かつ分かりやすい内容(「僕のせいで、君の生活を台なしにしてしまったんだね」「人間と小人は仲良くできないのかな?」的な内容)にしたほうが良かったように思う。
テーマとしては非常に共感できるし、個人的にはこういう世界観のゲームがあれば…と思っているくらい世界観は好き(ピクミンの世界観に、ゼルダのゲーム性)なので、前半は大満足なだけに後半のもっていき方が残念でならない。
以外、余事。
・小人の世界だけにガンガン虫が出てくるけども、デフォルメされているので、虫NGな人でも多分大丈夫。
・猫好きな方はより一層満足感があると思われる。
・登場人物はそれぞれ味がある。お父さんスゴい!
絶対観た方がいい、とまでは言えないが、ピクミンとゼルダ好きにはオススメ。
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